【プラモデルをつくろう】ニッパーの切断面を比較してみよう【番外01】
「ひたすらランナーを切る」
【02】でニッパーがでてきました
各社色々なものを出してくれていますので、価格帯ごとにいくつか比較をしてみます
今回使用するガンプラはこちら
このランナーから【固めの赤ランナー】と【柔らかいグレーのランナー】を使用します。ランナーの直径は3mmほど
今回用意したニッパーはこちら
①爪切り
いきなりニッパーじゃありません。100円均一で買ってきた爪切りです。試しに買ってきました
②鍛造ニッパー
こちらも100均より、プラモデルなどの切り離しに最適「鍛造ニッパー」です
③エントリーニッパー
1000円以下のコーナーはここまで。バンダイのエントリーニッパーです。子供の入門用として、他のニッパーより小さいのが特徴です
④プラニッパー
1000円台のニッパー、【02】で使用したものです。今回選んだ中では一番持ち手が大型でした
⑤精密ニッパー
プラモデル用の工具と言えばタミヤ。2000円台として精密ニッパーです
⑥コトブキニッパー
ここからは新しく用意したものではなく、普段自分が使っている工具になってしまうのですが、3000円台としてゴッドハンドのコトブキニッパーです
⑦アルティメットニッパー
最後に4000円以上の高額ニッパーとして、有名どころ「アルティメットニッパー」を。こちらも普段使いのもので、ゲームのロゴが付いたコラボ製品になります。
以上7つのニッパーを使用し、ちゃんと選べば【高い物の方が性能がいい】のはもちろんですが、それぞれどの様に切断されるか、前回出てきたプラスチック切断時の【白化】の状態やニッパーの特性を見て行きましょう
▼爪切りまずは爪切りから。そもそも刃の間がギリギリ3mm無く、ねじ込んでから切断
切断はできていますが、ささくれてて白化もしています。横から見ても真っすぐには切断できていません
この子は本来の職務、爪を切ってもらいましょう
▼鍛造ニッパー次は引き続き100円均一から鍛造ニッパー
……見事にねじ切れています。横から見ると爪切りよりガタガタです
ですがニッパーの特徴がよく出ています。ニッパーは【対象の両端から刃を入れ、中央で切断する】道具で、【切断の終点】今回は中央部分が白化しやすいことが見て取れます
▼エントリーニッパーここからが本当に模型専用工具。バンダイからエントリーニッパー
このエントリーニッパー、肉眼ではよく見えませんでしたが【刃の片側がV字になり、受け刃となっている】らしいです。そのせいか切断位置が中央からずれている様ですね
切断能力は申し分なく、真っすぐ切れて白化も程々に抑えられています。ただ、子供向けなのでグリップが小さくて取り回しに難がありました
本当に【子供たちへ向けた入門用のニッパー】であると言えるのではないでしょうか
▼プラニッパー4本目は前回【02】で使用した、ゴッドハンドのプラニッパー
少し扱いを間違えたのか、エントリーニッパーより白化が目立ってしまいました
1,000円前後では切れ味にそこまで差が出ないといった感じですが、「刃先が細くランナーとパーツの間に入れやすい」や「グリップが大きく使ってて疲れない」など、【長時間握り続けるプラモ作成用に考えられたニッパー】といった印象でした
▼精密ニッパー
5本目は2,000円台、タミヤの精密ニッパーです
赤い方のランナーはほとんど白化がありません。グレーの柔らかいプラは全体的に白化しやすいのでしょうか
特徴として高い耐久性が挙がります。【長く使い続けることができるニッパー】といえばこのニッパーになるのではないでしょうか
タミヤ製は他にも低価格帯「モデラーズニッパーα(1,320円)」や高価格帯「薄刃ニッパー (3,190円)」など、選択肢が広いのも特徴です
▼コトブキニッパー6本目は高価格帯(3000円後半)、再度ゴッドハンドからコトブキニッパーです
「コトブキニッパー」と次の「アルティメットニッパー」の特徴として、【片刃】であることが挙げられます。片方が刃、反対側はまな板のようになっていて、他のニッパーと違い【パーツの中央ではなく、端で切断】します。写真でも切断面がランナー下部に寄っていることが見て取れます
切れ味は見事の一言。赤い方のパーツは一切白化していません
短所は手を出すことを躊躇する価格帯と、切れ味と引き換えにした耐久性。切断能力は3mmまでとなっており、今回使用したランナーより太い物の切断は推奨されていません
【しっかりとした取り扱いとメンテナンスが必要な高性能ニッパー】といったところでしょう。ニッパーのメンテナンスもそのうち触れたいですね
▼アルティメットニッパー文句無しの切れ味、ゴッドハンドのアルティメットニッパー
赤いランナーは切断箇所がコトブキニッパーと比較してさらに綺麗になりました
【コトブキニッパーの長所と短所をさらに伸ばしたニッパー】です。切れ味鋭く、非常に繊細な一品です。ネットで破損の話も多く見受けられるのではないでしょうか
※発売順は逆の為、正しくは「コトブキニッパー」が【アルティメットニッパーの短所を軽減したもの】となります
▼最後に
色々なニッパーがありますが、【どれが一番いい】というのは【無い】と思っています
これからの記事で触れる予定ですが、プラモデルはニッパーで切るだけではありません
ニッパーでランナーからパーツを切り離した後、カッターやナイフなどの刃物で仕上げる方法もあります
切断面がパーツとパーツの合わせ目に隣接するなら、接着剤でパーツ同士を接着してゲートごと接着面を削って成型する場合もあります
【パーツを切り離すだけで終わらせる】なら【コトブキニッパー】のような高価格帯で切れ味の良い物
【ゲートの仕上げにナイフを使う】なら【プラニッパー】のような中価格帯である程度切断能力がある物
といった様に、自分のプラモデルの作り方に合わせてニッパーを選ぶのが一番ではないでしょうか
ナイフで仕上げるなら極端な話、切断だけなら【100均のニッパー】でも構わないのです(爪切りはランナーから切り出せないので止めましょう)
個人的にはエントリーニッパー、価格から考えると切れ味が良くて驚きました。小さいですけど
新しい発見、うーん満足。ではこれにて